うまくいかないときほど、やさしくいたい

未分類

季節のせいか、気持ちがざわざわしたり、

人と一緒にいることが、いつもよりしんどく感じる日が続いていませんか?

何か言われたわけじゃないのに、心がちょっとチクッとする。

人の一言が重たく感じる。

相手のテンポについていけない。

普段なら笑い流せるようなことが、なぜか引っかかる。

その疲れや戸惑いを、

「人付き合いが苦手なんだろうか」

「またやっちゃったかな」

なんて、自分責めに変えてしまう人がいます。

でもそれって、本当に“その人”や“自分”のせいなんでしょうか。

冬になると、体は寒さに耐えようとして硬くなり、

気圧の変化や日照時間の減少で、自律神経も疲れやすくなります。

そうなると、知らないうちに“我慢できる力”がいつもより下がってしまう。

つまり、普段なら乗り越えられることが、

この季節はちょっと難しくなってくるんです。

「心の余白」が狭まっているからこそ、

人の言葉や存在が、普段より強く感じられてしまう。

それって、別におかしなことじゃなくて、

ごく自然な“人間らしさ”なんです。

他人といることに疲れているとき、

「ちゃんと向き合わなきゃ」と思ってしまう人ほど、

自分をすり減らしてしまいがちです。

でも、そういうときこそ、

“やさしくいるために、距離をとる”という選択肢があってもいい。

それは、相手を遠ざけるということではなく、

お互いが“傷つけ合わずに済む距離”を保つための、

とても思いやりある行動なんです。

ほんの少し、ひとりで過ごす時間を意識してみる。

自分のペースを取り戻す時間をつくる。

ちょっと静かな音楽をかけて、深呼吸してみる。

そういう“間”があることで、

またやさしく戻れる場所ができてくるのかもしれません。

私たちは、ときどき“やさしさ”を

「誰かのためにがんばること」だと誤解してしまいます。

でも本当は、

“やさしい状態”を自分の中に保てるようにしておくことが、

誰かにとっても、自分にとっても、いちばんの贈り物なのかもしれません。

だから今日も、無理にがんばりすぎず、

ひとりの時間をちょっとだけ多めに過ごしてみてください。

その先にきっと、

「まぁそんなもんか」って思える瞬間があるはずです。


訪問看護ステーション アイビー燕
管理者 高田

*ヴィクトール・フランクル(1905–1997)
オーストリアの精神科医・心理学者。
ナチス強制収容所を生き延びた経験から意味への意志を提唱し、どんな状況でも人は自分の在り方を選ぶことができるという考えを伝えました。著書『夜と霧』は世界中で読み継がれています。

関連記事

この記事へのコメントはありません。