
少しあたたかくなってきて、動きやすい季節になってきたはずなのに。
なぜか、体が重い。
心のどこかでは ”そろそろやらなきゃ” と思っているのに、手が動かない。
怠けているわけでもないし、やる気がないわけでもない。むしろ、やりたい気持ちはある。
でも動けない。
春って、そういうことが起きやすい時期だなと感じています。

私の感覚として、人には大きく二つのエネルギーがあると思っています。
“体のエネルギー” と “心のエネルギー” です。
冬のあいだ、体はじわじわ疲れます。
寒さだけじゃなくて、緊張や、こまごました負荷や、なんとなくの我慢で。本人も気づかないうちに、体のほうが先に削れていることがあります。
そこに春が来ると、今度は心が動きたがる。
年度末・新年度、環境の変化。
“何かが始まりそう”
“何かが変わりそう”
そんな空気が増えると、人はまだ起きていない未来をたくさん想像します。
想像って、便利だけど、疲れるんですよね。
だから、何もしていないのに疲れている。頭は動いているのに、体が動かない。
そういうズレが起きやすい時期なんだと思います。

この状態で一番つらいのは、
「動けない自分」を責めてしまうことだと思います。
状況が人を決めるのではなく、それに対する態度が人を決める。
ーーーーーヴィクトール・E・フランクル
動けない理由が“根性”とか“性格”のせいだと決めつけると、態度まで苦しくなってしまう。
でも、もしかしたらこれは性格の問題ではなくて、ただエネルギーが減っているだけかもしれない。
人生は短距離走じゃなくて、長い道を歩くようなものです。
まっすぐ進み続けることも大事だけど、途中には休憩所もある。
少し座る。
今日は歩幅を小さくする。
寄り道をする。
甘いものを食べていく。
そういう調整があるから、長く歩ける。
“やらなきゃ” と思っている自分を否定しなくていい。
でも “疲れている自分” も置き去りにしなくていい。
両方あっていいんだと思います。

年度末は、人生のゴールじゃなくて、道の途中の目印のひとつです。
目印の前後は、少し緊張する。少し疲れる。
それだけのことも多い。
“やらなきゃと思うのに、動けない”
そんなときは、無理に根性で動かそうとする前に、こう言ってあげてもいいのかもしれません。
“体と心のエネルギーが、ちょっと減ってるだけか”
それは甘えじゃなくて、歩き続けるための言い訳です。
――まぁ、そんなもんか。
訪問看護ステーション アイビー燕 管理者 高田
※ヴィクトール・E・フランクル:精神科医
極限状況の体験を背景に ”人は意味を見いだしながら生きる” という視点を残した人物として知られています。
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