春になると、
いろんな場面で“自立”という言葉を
耳にすることが増えます。
でも、そもそも自立って、なんでしょう。
なんでも自分でできること?
誰にも迷惑をかけないこと?
私は、
“自分の人生を、自分で選ぶこと”
その練習を重ねていくことなんじゃないかと思っています。
たとえば──
「これでいいかな?」と
誰かに答えをゆだねてしまう人。
小さな場面でも、
“選ばずに済ませてきた”という積み重ねは、
やがて“誰かに決めてもらう生き方”になってしまいます。
そして、それが当たり前になると、
うまくいかなかったことを
誰かのせいにしてしまうようになります。
でも、本人は気づいていません。
そういうふうに“育てられてきた”ことがあるから。
子どもに失敗させたくない親。
苦しそうな誰かを支えたい人。
その優しさの中で、
“選ばせない”という習慣が生まれることがあります。
アドラーは言いました。
“課題の分離なくして、自由はない。”
誰かが選んでくれた人生は、
どこかで、誰かのせいにしたくなってしまう。
だからこそ、
自分のことは、自分で決めるという経験が必要なんです。
その選択が正しかったかなんて、
あとから考えればいい。
大事なのは、
“自分で選んだ”という感覚を、少しずつ積み重ねていくこと。
今日の服を選ぶ。
何時に寝るか、自分で決める。
それだけでも、立派な一歩です。
“自分の人生に、自分でYESを出す”
それが、自立の出発点。
失敗しても、後悔してもいい。
それでも、
“これは自分の選択だった”と言える人は、
他人を責めずに、また選びなおすことができます。
“まぁそんなもんか”と思いながら、
少しずつ、自分で選べるようになる。
そんな歩みを、私はこれからも信じていたいと思います。
訪問看護ステーション アイビー燕
看護師 高田(管理者)
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