
「頑張っているはずなのに、なんだかしんどい」
そんな感覚を、
これまでに一度も感じたことがない、
という人のほうが少ないのかもしれません。
手を抜いているわけでもなく、
サボっているつもりもない。
それなりに気を張って、
それなりにやっている。
それなのに、
なぜか疲れが抜けなかったり、
気持ちが追いつかなくなったりする。
あの感じは、
「自分が足りないから」
だけで説明できるものではないような気がします。

少し視点を変えてみると、
しんどさの原因は
「頑張ること」そのものではなくて、
全部を同じ強度で頑張ろうとすることにあるのかもしれません。
仕事も、
人との関わりも、
生活のことも、
気持ちの整理も。
どれも大事だから、
全部ちゃんとやろうとしてしまう。
でも、人には使えるエネルギーに限りがあります。
どこかで線を引かないと、
知らないうちに消耗してしまう。
線引きがないまま頑張り続けることは、
少しずつ、でも確実に、
自分をすり減らしていく状態なのだと思います。

「人は、すべての課題を同時に解決しようとすると、前に進めなくなる。」
ーーーアルフレッド・アドラー
「頑張らない」という言葉は、
どこか投げやりに聞こえることがあります。
でも実際には、
頑張らない部分を意識的につくることは、
前に進むための選択でもあります。
ここは今、力を入れるところ。
ここは今、少し力を抜いていいところ。
そうやって分けて考えることは、
諦めることではなく、
自分のペースを取り戻すことに近いのかもしれません。
成長と消耗は、
とても近い場所にあって、
その分かれ目にあるのが、
「どこまで頑張るか」を選ぶ感覚なのだと思います。

全部を頑張らなくていい。
でも、何も頑張らなくていいわけでもない。
そのあいだを探していくこと自体が、
きっと、とても人間らしい作業なんですよね。
今はここを頑張る。
ここは、今は頑張らなくていい。
そんなふうに、
少しずつ分けて考えてみるだけで、
呼吸のしやすさは変わってくることがあります。
はっきりした基準がなくてもいいし、
正解が分からなくてもいい。
「このくらいでも、いいのかもしれないな」
と思える瞬間が増えていけば、
それで十分なのかもしれません。
――まぁ、そんなもんか。
訪問看護ステーションアイビー燕
管理者 高田
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