
いつもなら普通に返してくれる人の返事が、今日は少し短い。
表情もなんとなく硬い。
声の感じも、いつもと少し違うような気がする。
「あれ、怒ってるかな。」
「何か変なこと言ったかな。」
そんなふうに、相手の “反応” が少し気になる瞬間ってありますよね。

自分に余裕がない日は、いつもなら気にならない表情や言い方まで、妙に気になることがあります。
逆に、自分では普通にしているつもりでも、疲れていたり、別のことで頭がいっぱいだったりすると、返事が短くなったり、少し強い言い方になったりすることもあります。
見る側も、その日によって少し違う。
見られる側も、その日によって少し違う。
人と人って、毎回まったく同じ状態で会っているわけではないんですよね。

「同じ川に足を踏み入れる者にも、次々と別の水が流れてくる。」
―――ヘラクレイトスの断片より(意訳)
古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスは、変わり続けるものの中にある世界を、川の流れにたとえました。
昨日の自分と、今日の自分。
昨日の相手と、今日の相手。
同じ人ではあるけれど、その日の疲れや余裕、その前にあったことまで、まったく同じではありません。
少し余裕がある日は流せたことが、今日は引っかかる。
いつもなら考えられることまで考えられず、気持ちが先に出る。
そんなふうに、“反応” にもその日の状態が少し滲むことがあるのかもしれません。

今日は、あの人の返事が少し気になった。
表情も、いつもと違うように見えた。
「自分のことかな」と思った。
でも、自分だって、いつも同じ表情で、同じ調子で、人と関わっているわけでもない。
なんとなく “反応” が気になる日は、自分も相手も、少しいつもと違う日なのかもしれません。
まあ、そんなもんか。
訪問看護ステーション アイビー燕 管理者 髙田
ヘラクレイトスとは・・・
紀元前6〜5世紀頃の古代ギリシャの哲学者です。世界を固定されたものではなく、変化し続けるものとして捉えた思想で知られています。
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