
頼まれたことを終えるのに、思っていたより時間がかかった。
人と話したあとで、
「ああ言えばよかったな」と思った。
周りの人は、こういうことを自然にこなしているように見える。
「もう少し、“ちゃんと”できないかな。」
そんなふうに、自分のことが少し気になることってありますよね。

用事は終えた。
でも、もっと早くできるはずだった。
返事はした。
でも、もう少し感じよく話せたはずだった。
楽しかったこともあった。
でも、人に話すほどのことではない気がした。
一つひとつを振り返ると、
「このくらいは、できていないと」
という気持ちが出てくることがあります。
誰かから求められていることもあれば、
自分でそう思っていることもある。
次に人と会うことを考えても、
話したいことより、
まだできていないところが先に浮かぶ。
もう少し“ちゃんと”してからでないと、
会いづらいように感じることもあります。

「こうありたい、こうあらねばならないという思いと、現実との間に、食い違いが生まれる。」
―――森田正馬氏『神経質の本態と療法』より(意訳)
私たちは、実際にできたことだけを見て、
自分を受け取っているわけではないのかもしれません。
このくらいの時間で終える自分。
自然に言葉が出てくる自分。
人に聞かれたら、近況を話せる自分。
そんな、思い描いていた姿も一緒に、
今の自分を見ている。
その姿との違いが気になると、
ひとつうまくできなかったことが、
自分全体のことのように感じられる場合もあるのかもしれません。

思ったより時間がかかった。
返事は、あとから思いついた。
話そうと思っていたことも、
その場ではうまく出てこなかった。
頭の中では、もう少し手際よくて、
もう少し気の利いた自分だった。
けれど、実際にやってみると、少し違った。
人って、思い描いていた“ちゃんと”と、
実際の姿が、少し食い違うこともあるのかもしれません。
まあ、そんなもんか。
訪問看護ステーション アイビー燕 管理者 髙田
森田正馬氏とは・・・
日本の精神科医で、森田療法を創始した人物です。
自然に生じる感情や、思い描いた姿と現実との葛藤に目を向けました。
コメント